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コラム vol1.DXGoGo AIプラットフォームの提供とアグリゲーターとしての役割

2023.09.25 コラム

AIビジネス発足の狙いとは

 当社は、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速するサービスの企画、および新たなビジネスモデルをカタチにする企画会社として設立されました。強みは、KDDIが持つ『お客様タッチポイントの多さ』と、『通信・AIなどの技術』を活かしたサービスの企画が出来ることです。

 創業した2021年5月は、コロナ禍の真っ只中でしたが、企業が「新しい技術の活用」や「今までと違う仕事のやり方」にチャレンジし易くなったタイミングでもありました。外出・出社が制限されるなか、本当にその業務はやらなければならないのか?といった取捨選択を迫られ、またそれは誰がやるべきなのか?を考え、適切な業務と配分の判断を行い始めた時期だったと思います。

 そんな課題対策のひとつに「AIを活用できないか」を検討するようになり、一気に企業DX対策の手段として認知され始めてきました。我々は、より多くの企業DXをAIでお手伝いできないかと考え、クラウドプラットフォーム上にAIモデルを搭載するサービスを企画・開発しました。

 多くのお客様ニーズ(聲・こえ)が収集でき、通信インフラ・AIの両方の技術支援を得られる、当社だからこそ実現できるプラットフォームサービスとなっております。

アグリゲーターの役割 なぜクラウド化へ?

 「アグリゲーター」という言葉の定義は、様々なAIサービスを多くの企業にご利用頂けるよう、当社クラウドプラットフォームに集約する役割のことを指します。

  企業で利用されるAIモデルは様々な形態があり、なかでもオンプレサーバにAIモデルを搭載した拠点完結型が主流です。しかし、当社は企業DX化を最大化するために、クラウド環境が最適だと判断し、『DXGoGoクラウドプラットフォームサービス:DAIPS』を企画・開発しました。

 その理由のひとつめは、企業環境の変化です。PoC(実証実験)を経て、実装が始まると、ベストプラクティスの横展開が始まります。また、AIが活躍するフィールドは多くの業種・業態、業務へと広がっていくと思われ、その変化にスピーディに対応する環境がクラウドになると考えています。

 ふたつめは、AI技術の劇的な進化への対応です。AI技術は、世界中のエンジニアの更なる精度向上への研究開発により、日進月歩で進化しています。その最新技術を搭載したAIモデルを、企業が利用する環境へスピーディにアップデートするのにクラウドが必要になります。

 みっつめは、「AIモデル開発に集中したい」 AIベンダの聲対応です。多くのAIベンダの中から、悲鳴ともいえる聲を聴きました。低コストでのPoCや、横展開実装には、ハードウェアやシステム基盤、データ分析、コンサルといった垂直統合での提供を求められます。

多彩なスキルを持つエンジニア確保が、コストを圧迫し、商談が進まず、業界全体の発展の妨げになっているのではと感じました。

 企業の環境の変化、AI技術の劇的な変化、AIベンダー、それぞれを最大限に活かすにはクラウドが最適なフィールドだと判断しています。

企業のAIへの期待・ニーズ

 こちらは、企業に映像解析AIニーズをヒアリング・集計した独自資料です。

企業が期待するケースは、防犯などのセキュリティ活用、製造など事業での現場活用、マーケティング活用といった順となっています。ここで注目頂きたいのは、映像を利用したい部門です。例えば、防犯を中心としたセキュリティ活用は、コーポレート業務や施設管理部門が中心ですし、製造ラインでの品質検査は、事業部門で活用されていることが分かります。

 このように映像解析を必要とするケースは、業界・業種、職種を問わず、さまざまなケースに拡大しており、さらに昨今の働き方の多様化や制度改革により拡がりを加速していくものと見込んでいます。

 例えばこれまでは、食品などの製造ラインでの外観検査や品質検査(不良品検出)は、長年AI技術を採用した研究開発がなされ、誤検知も少なく精度も向上し、実用化されているケースも少なくありません。

 最近では、従業員を守ったり、業務を効率化したりするケースも増えてきています。コロナ禍で一気に普及したリモートワークにおいて、社員が利用するパソコン画面が背後から第三者にのぞき見されていないかを検出できるAIも開発され、危険環境の保全業務や長時間かけて巡回する点検業務など、定点カメラに置き換えることにより従業員の安全確保や、業務効率・勤務時間削減などに活用するAIモデルが、実証実験を経て実導入され始めています。

  企業DXが加速するなか、AIニーズの変化をタイムリーに捉え、また一方で進化するAIの特性を正確に見極め、さまざまな事業・業務に対し、AI技術が活かせるユースケースを増やし、アグリゲーターとしての期待に応えていきたいと思います。

アグリゲーターの目指す提供価値 ツナぐプラットフォーム

 当社のAIアグリゲーターとしての価値は「企業ニーズに合ったAIモデルを提供すること」そして「AIモデルを開発する高い技術スキルを持ったAIベンダーとご利用企業をマッチングすること」です。

 この価値を今後も高め、より多くのお客様、AIベンダーがWIN-WINになるカタリスト(触媒)になりたいと考えています。DXを推進していく企業は、自社だけでは完結できないことも多く、より多くのパートナー企業と手を取り合っていく事も重要になってくると思います。当社が提供する価値がその一つの選択肢として頂けるようになりたいと考えています。

 今後は、技術の発展と共にお客様企業のIT環境は劇的に進化していきます。一方で、AIの技術はそれを上回るスピードで日進月歩・進化をしています。また、5Gをはじめとする通信もより良いものになっています。

 当社は、そのような流動的な環境同士を上手くツナぐサービスプラットフォームを目指していきます。

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氏名   :伊藤 優二
会社名  :DXGoGo株式会社
役職   :取締役 事業統括部長 兼 AIサービス企画部長

2021年の創業メンバーとして、会社設立準備から事業立上げを担当。 
事業企画から商品企画、販売支援など、広範囲に対応し、今回の「DXGoGo AI Platform Service(DAIPS)」立上げを推進。
※2023年9月時点の情報です。